令和の青

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2012年03月22日

幸福の黄色いシシマル

幸福の黄色いシシマル

最近このブログで書いた、僕が文学賞応募のため小説を書いているという記事に対して、嬉しいコメントがあった。

コメントをくれたのは高校時代の同級生、6才になる娘ちゃんが最近『おがわのもり』という文章を書いて、すごく良い出来だったから親バカ全開で製本をしたという。
ついこないだ、つかまり立ちしてた赤ちゃんだった気がするのに、そんな文才を感じさせるタイトルで字を書くようになったの!?...とえらく感慨深かった。
この話を聞いたことがきっかけで、僕は実家の棚に飾ってあるタイトル写真の"ししまる"の存在を思い出し、アパートへと連れて来た。

『おがわのもり』の著者誕生は僕にとって2つの理由で"すごく嬉しい驚き"であった。
1つは自分にとって身近な女の子が生んだ、初めての子だったこと。
男友達の子供はそれまでにもいたのだが、やはり女友達の子ってちょっと違う。(と僕は思っている)
彼女のお腹が少しずつ、やわらかい弧を描きはじめ...最後ははち切れんばかりに大きく、その血を分けた子が生まれる。そして子供の誕生はおかあさんの誕生でもある。高校時代から知ってる友達なだけに、僕はなんだかとても不思議な気持ちだった。
今でも出産って当たり前の神秘だと思う。

もうひとつは彼女から、
「私にはこどもが出来ないかもしれない」
とかつて一度だけ、それとなく聞いたことがあったからだ。小さいころに大病した経験と関係があるだろうことは分かっていたが、あえて詳しくは聞かなかった。たぶん21、2歳ぐらいのころにさらっと聞いた話だと思うが、それはずっと僕の心に残った。

...ちなみに写真に写っている、つかまり立ちを出来たことに喜び、レストランの椅子の上でひたすら立ちつくしていた赤ちゃんが、成長してのちに『おがわのもり』を執筆する小さな作家先生となります。
先生は昨年、かわいい妹をもつお姉ちゃんにもなりました。

さてさてこの子たち二児の母であるikummyちゃん、
「私は男らしい人が好き。だからあんたはタイプじゃないの」
と僕に対し、高校時代から一貫して失礼なことを言いつつ、絶品のチェリータルトを作ってくれたり、定期的に連絡をくれたり...昔からなにかと自分を励ましてくれる存在なのです。

ある日、ikummyちゃんから写メールが届いた。中には"毛糸のししまる"が写っていた。古いアニメ、『忍者ハットリくん』に出て来る"ししまる"という犬が僕は大好きなのだが、そのことを知って手作りのぬいぐるみを作ってくれたのだ。

さっそく写真を自慢げに弟に見せると
「いいね!でも兄ちゃん、おでこにトレードマークがないけどね」
とクールに言う。

「にょにょ〜!?ほ、ほんとじゃわん!※←ししまるの口ぐせ」
気づかなかった自分を恥じるとばかりすぐ、
「おでこに手裏剣マークなし」とだけメールを返した。

ありがとうも言わなかった僕に対して、
「あんたね〜、毛糸とフェルト買いにわざわざダイエーまで出向いて、手作りのししまるを作ってくれる女の子なんてそういると思う?」
という主旨の長いメールが返ってきた。

これには、ほんとにそうだな...と思ったので、これまたししまるの口ぐせで、
「にょほほ。悪ィ悪ィ」
と謝罪メールを返したが、送ってから、やべぇさらに怒らせたか?...とちょっと心配になった。

その後、手元に届いたぬいぐるみのおでこを見て僕はほっとする。以来10年以上、幸せを呼び込むマスコットとして、"手裏剣マーク"が付いたししまるは僕の部屋で暮らしているのだ。

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